カテゴリー: システム構築記録

  • OpenDolphin 構築ログ:WildFly, PostgreSQL, クライアント接続

    電子カルテクライアントが “沈黙” した原因と、接続成功までのすべて

    本記事は、私が OpenDolphin(2.7系)を自前環境で構築するという目的で行った作業と、その過程で遭遇した“接続しないクライアント問題”を、最初から最後まで一切省略せずに記録した技術ログである。

    「OpenDolphin を触るのが初めての人」
    「評価版クライアントでハマった人」
    「WildFly で動かしたい人」

    そうした方々の参考になれば幸いである。

    ただし、オープンソースである電子カルテ「OpenDolphin」は開発を終了している。現在は  株式会社メドレーが事業を承継し、開発・サポートを行っている


    1. 作業開始:OpenDolphin を「まず動かす」ことを目標に設定

    今回の PoC の目的はシンプルだった。

    • OpenDolphin の仕組みを理解する
    • 自前で構築したAWS上のWindowsServer2022に載せたい
    • クライアントが自前サーバに接続する流れを確認したい

    そのために、まずは OS 上に単純な構成を置いた。

    使用環境

    • Windows Server 2022(両方検証)
    • Java(OpenJDK 8)
    • WildFly
    • PostgreSQL
    • 評価版クライアント(2.7.1 とされる ZIPをGitHubからダウンロードした)

    「公式手順」を参考にしながら、“できるだけ純粋な構成に近い状態” を作ることを意識した。


    2. WildFly をインストールして起動する

    2.1 まず WildFly を入手

    ダウンロードサイト:https://adoptium.net/temurin/releases/?version=8

    OpenDolphin 2.7 系で最も安定なのは WildFly 10 〜 11 です

    2.2 配置

    C:\WildFly\wildfly-26.1.3.Final

    に展開。

    2.2 起動

    cd C:\WildFly\wildfly-26.1.3.Final\bin
    standalone.bat
    

    WildFly が 8080 で起動することを確認。

    ここまでは順調。


    3. PostgreSQL を準備する

    今回の OpenDolphin は、内部的に PostgreSQL を想定している。すでに過去の電子カルテサーバでPostgresql8.4をインストールしていたため、そちらを使用した。

    3.1 DB 作成

    DB名       : dolphin
    ユーザー名 : dolphin
    パスワード : 任意

    3.2 初期データ投入(最低限)

    OpenDolphin の認証にはテーブルが必要。

    デプロイが正常終了後に初期データを投入してください

    INSERT INTO d_facility
    INSERT INTO d_users
    INSERT INTO d_roles
    

    これで「サーバ側は動く状態」が整った。

    3.3 Postgresql JDBCドライバ設定

    ①pgjdbc (PostgreSQL JDBC Driver) を入手

    ダウンロードサイト:https://jdbc.postgresql.org/download/

    PostgreSQL 8.4 なら JDBC Driver 42.x 系でも基本動作します。


    ②WildFly の module として配置

    以下にディレクトリを作成:

    C:\wildfly-10\modules\org\postgresql\main

    配置するファイル:

    • postgresql-42.7.1.jar
    • module.xml

    ③module.xml の作成

    <?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
    <module xmlns="urn:jboss:module:1.3" name="org.postgresql">
        <resources>
            <resource-root path="postgresql-42.7.3.jar"/>
        </resources>
        <dependencies>
            <module name="javax.api"/>
            <module name="javax.transaction.api"/>
        </dependencies>
    </module>
    ※ resource-root path= のファイル名は、実際に置いた JAR 名に合わせてください。

    ④参照先DBの設定(WildFlyのStandalone.xmlにDataSource設定)

    C:\wildfly-10\standalone\configuration\standalone.xml を編集します。

    <drivers> の中に JDBC ドライバ登録

    <driver name="postgresql" module="org.postgresql">
        <driver-class>org.postgresql.Driver</driver-class>
    </driver>

    <datasources> に DataSource を追加

    <datasource jndi-name="java:/jdbc/dolphinDS" pool-name="dolphinDS">
        <connection-url>jdbc:postgresql://localhost:5433/dolphin</connection-url>
        <driver-class>org.postgresql.Driver</driver-class>
        <driver>postgresql</driver>
        <security>
            <user-name>dolphin</user-name>
            <password>*****</password>
        </security>
    </datasource>

    ⑤WildFly を再起動して DataSource をテスト

    standalone.batを起動して、エラーが出ていないことを確認します。エラーがある場合は、Postgresqlドライバが認識されていないか、Standalone.xmlの記述に誤りがある状態です。

    4. dolphin.war の配置とデプロイ

    GitHubからOpenDolphinをCloneしOpenDolphinのサーバファイル(warファイル)をBuildします。Buildしたwarファイルを、わかりやすい名前(例:dolphin.war)に変更して、WildFly のdeployments へコピー。

    C:\WildFly\wildfly-26.1.3.Final\standalone\deployments\

    その後、WildFlyを再起動すると、.deployed ファイル生成 され、WildFly ログで “Deployed dolphin.war” が確認できるれば、サーバ側の起動は問題なし。もし、deployファイルが作成されていない場合は、deployファイルが作成されるまでトラブルシューティングしてください

    自分自身が経験したBuildエラートラブルです

    ①postgresql-9.2-1002.jdbc4.jarをext_libにコピーして再Build

    理由:OpenDolphinのソースがPostgresql9.2のJDBCを参照していたため

    こちらでいったんBuildは正常

    このあと、デプロイしてもfailedだけが作成し続け、deployedを作成するまで苦労しました

    ②OpenDolphinが期待しているDataSource名ではない
    以下のようにPostgresDSというDataSourceを追加した

    <datasources>
        <!-- 既存の ExampleDS は残しておいて構いません -->
    
        <datasource jndi-name="java:jboss/datasources/PostgresDS"
                    pool-name="PostgresDS"
                    enabled="true"
                    use-java-context="true">
            <connection-url>jdbc:postgresql://localhost:5433/dolphin</connection-url>
            <driver>postgresql</driver>
            <security>
                <user-name>dolphin</user-name>
                <password>*****</password>
            </security>
        </datasource>
    
        <drivers>
            <driver name="h2" module="com.h2database.h2">
                <xa-datasource-class>org.h2.jdbcx.JdbcDataSource</xa-datasource-class>
            </driver>
            <driver name="postgresql" module="org.postgresql">
                <driver-class>org.postgresql.Driver</driver-class>
            </driver>
        </drivers>
    </datasources>

    ③Standalone.xml内のJPA のデフォルトデータソースが 空(“”) だった

    <subsystem xmlns="urn:jboss:domain:jpa:1.1">
        <jpa default-datasource="java:jboss/datasources/PostgresDS"
             default-extended-persistence-inheritance="DEEP"/>
    </subsystem>

    ④ClassNotFoundException

    failedの中を確認すると、ClassNotFoundException: Could not load requested class : org.hibernate.type.StringClobTypeというエラーが出ていた

    OpenDolphinのソースを全検索して

    @Type(type=”org.hibernate.type.StringClobType”)

    の行を

    @Type(type=”org.hibernate.type.StringType”)

    に変更して再Build、再デプロイ

    ⑤NullPointer Exceptionエラー

    failedの中を確認すると、jboss.deployment.unit.”opendolphin-server-2.7.1.war”.component.PvtService.START … EJBException: NullPointerExceptionというエラーが出ていた

    解決として、

    C:\wildfly-10.1.0.Final\custom.properties

    というテキストファイルを作成します。

    最低限、ファイルの中身には、

    # OpenDolphin basic settings
    
    # 医療機関ID(DBに入れる予定の facilityId と合わせる想定)
    dolphin.facilityId=1.3.6.1.4.1.9414.70.1
    
    # ORCA連携用(今はダミーでOK)
    claim.host=localhost
    claim.port=8000
    claim.user=ormaster
    claim.password=ormaster
    
    # ログレベルなど(あってもなくてもよいが、一応)
    dolphin.logLevel=WARN

    と記述します

    standalone.xml<subsystem xmlns="urn:jboss:domain:logging:…"> の中には、以下の内容を記述しておきます(念のため)

    <logger category="open.dolphin">
        <level name="WARN"/>
    </logger>
    <logger category="dolphin.claim">
        <level name="WARN"/>
    </logger>
    

    この後、再デプロイして確認します

    こちらを行って、サーバは正常起動しました


    5. ここからさらに問題発生:クライアントが“完全に沈黙”

    5.1 初期データをDBに投入

    この時点で、OpenDolphinのテーブルは作成されているはずです。クライアント接続に必要な認証データを投入してください

    5.2 クライアントアプリを作成する

    サーバアプリをBuildしたように、OpenDolphinのソースからクライアントアプリケーションをBuildします

    5.3 クライアントアプリを実行する

    コマンドラインから

    java -jar OpenDolphi

    しかし、トラブル発生。ログイン画面が出る。しかし・・

    • WildFly には 1 つもリクエストが来ない
    • PostgreSQL 側にもクエリが飛ばない
    • クライアントには「接続できない」というエラーすら出ない
    • ログインしても無反応(沈黙)

    この時点で、サーバ側が悪いのか、クライアント側が悪いのか、判断がつかない。


    6. 切り分け開始:「サーバは問題ない」ことを確認

    まずサーバ側を確認した。

    • dolphin.war は正しく起動
    • WildFly ログには deploy エラーなし
    • PostgreSQL も正常に接続可能
    • DB 初期データも投入済み

    つまり サーバ側は正常

    ではなぜ接続が来ない?


    7. 次の仮説:

    「クライアントは接続先 URL が固定されているのでは?」

    ここで、OpenDolphin は接続先サーバが固定されているのでは?と疑い始める。

    実際、世の中には

    • クラウド用に URL を固定したビルド
    • 体験版として接続先変更不可のもの

    が存在する。

    このOpenDolphinクライアントも、その可能性が十分ある、と思った


    8. 設定画面を開く → 一見変更できそうだが、保存されない

    クライアント右下の [設定] を開いたところ、
    「サーバ」「スキーマ」「ポート」といった項目が並んでいた。

    しかもサーバの項目は、test.open.dolphinがデフォルト

    設定変更できる雰囲気がある。

    ところが:

    • http://localhost:8080 と入力 → 保存 → 値が消えている
    • http://192.168.10.5:8080 → 保存 → 消える
    • /dolphin を書いてみる → 保存 → 消える
    • localhost を書いてみる → 保存 → 消える
    • 127.0.0.1 を書いてみる → 保存 → 消える

    これは、設定項目が「見せかけ」で実際には固定 URL に接続しているのでは?
    という疑惑が深まっていく。

    ここでしばらく時間を消費した。


    9. hosts ファイルで出口を書き換える案(緊急回避策)

    万が一、本当に URL が固定なら、

    C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts

    で名前解決を書き換えれば、
    強制的に自前サーバへ誘導できる

    しかし、

    • 固定 URL かどうかの確証がない
    • これは「根本解決ではない」

    ため、一時保留とした。


    10. さらに試行錯誤:クライアントを自前ビルドする案

    GitHub 上の OpenDolphin 2.7m(猪俣先生開発版?)のソースを clone し、クライアントだけ自前ビルドして差し替える案も検討した。本来、サーバもBuildしなおす必要があるかもしれないが、時間を割きたくないのでいったんクライアントだけ。


    11. 決定的瞬間:

    すると、サーバの設定ができた共に、正しい設定の仕方が偶然わかった

    設定画面をもう一度よく見ると、
    項目は次のように分かれている。

    項目入れるもの
    スキーマhttp / https
    サーバホスト名または IP だけ
    ポート数字だけ(例:8080)

    ここで気づいた。

    サーバ欄に “http://” や “:8080” を入れてはいけない。
    純粋なホスト名だけを書く仕様だった。

    つまり、正しい入力はこう:

    正しい例

    スキーマ:http
    サーバ:127.0.0.1
    ポート:8080

    正しくない例(保存されず消える)

    サーバ:http://localhost:8080
    サーバ:localhost:8080
    サーバ:http://192.168.x.x/dolphin
    

    これがすべての原因だった。


    12. 正しく設定して保存 → 接続成功!

    サーバ欄を 127.0.0.1のみにし、
    ポート欄に 8080 を入力して保存。

    期待半分、不安半分でログインボタンを押す。

    WildFly ログを見ると──

    POST /dolphin/login
    200 OK

    来た。初めてクライアントが喋った。

    沈黙状態が続いていたOpenDolphinクライアントが、ようやく自前サーバに接続を開始した。

    結局、当初BuildしていたOpenDolphinのソースは、サーバをDockerで構築する簡易版だったのかもしれない(推測)

    OpenDolphin 2.7mでBuildしたクライアントアプリで電子カルテを操作してみようと思う。もしかしたら、サーバも再構築する必要があるかもしれないが、問題があった時に対応するつもり。


    13. hosts の修正は不要に

    hosts 書き換え案は不要となり、即座に元に戻した。


    14. clone した OpenDolphin ソースの扱い

    clone していたソースは、

    • WildFly に影響なし
    • クライアント実行にも影響なし
    • 今後ビルドするなら Work に移動すればよい
    • 使わないなら削除して OK

    という結論に達した。


    15. 結果:

    この環境で OpenDolphin は問題なく動作する

    サーバ:WildFly
    DB:PostgreSQL

    という構成で、OpenDolphin の認証と画面まで通った。

    「クライアントは URL 固定されている」という疑いは誤りで、
    真の原因は 設定画面の入力仕様の誤解 だった。


    16. 今回の学び(技術的教訓)

    1. OpenDolphin クライアントの設定項目は“URL”ではなく“サーバ名””IPアドレス”を入れる欄である。
    2. プロトコル(http)とポート(8080)は別欄で指定する。
    3. WildFly 側が正常でも、クライアントが正しく設定されていなければ完全沈黙する。
    4. hosts 書き換え案は“最終手段”であり、本質的な解決ではなかった。
    5. 結局のところOpenDolphin 2.7mでクライアントは再Buildしただけで、いったんはサーバ再構築は不要でした。ただ、設定の仕方が問題の核心であることもわかりました。
  • AWS で RSBASE 動作環境を構築した一日:S3・EC2・DNS・AMI までの実録ログ

    今日は、自分が以前運用していた医療用ファイリングソフト「RSBASE」を、AWS 上の Windows Server に構築する作業を進めた。
    ローカルでは長年扱ってきた環境だが、AWS でゼロから構築するとなると、
    S3、IAM、EC2、ストレージ、DNS と幅広い知識が求められ、なかなか濃い一日になった。


    1. S3 バケットの作成とローカル → AWS へのファイル転送

    RSBASE 本体はフォルダ構造が重要で、そのまま EC2 に持っていく必要がある。
    当初は Windows から aws s3 sync を使って直接コピーしようとしたが、
    ディレクトリ構造が崩れてしまう問題が発生

    ▶ Synce失敗例(階層が壊れる)

    aws s3 sync E:\ s3://aws-yasuda-work-bucket-tokyo/installers/
    

    数万ファイルをコピーしたが、
    「リンク」「ショートカット」「一部のディレクトリ」などが乱れ、
    RSBASE のように “素の構造” が命のソフトでは致命的。


    2. 解決策:ZIP 化して S3 へアップロード

    最終的に取った方法はとてもシンプル:

    ✔ 圧縮(ZIP)

    → アップロード
    → EC2 で解凍して配置

    ZIP 化したところ約 3GB にまとまり、確実にコピーできた。

    ▶ アップロードコマンド

    aws s3 cp .\rsbase.zip s3://aws-yasuda-work-bucket-tokyo/installers/
    

    ▶ EC2 側でダウンロード

    aws s3 cp s3://aws-yasuda-work-bucket-tokyo/installers/rsbase.zip .
    

    この方式が一番安定し、S3 の PUT/GET の課金も最小に抑えられる。


    3. EC2 Windows Server のセットアップ

    ✔ IAM ロール(S3 アクセス権)を追加

    途中、Unable to locate credentials が出ることもあったが、
    EC2 の IAM ロールが正しく設定されていれば認証情報は不要。

    ▶ 反映確認コマンド

    aws sts get-caller-identity
    

    結果が以下になっていれば EC2 が IAM ロールを使っている状態:

    "Arn": "arn:aws:sts::<アカウントID>:assumed-role/EC2-SSM-Role/i-xxxxx"
    

    4. EBS 増設(Eドライブ)

    構築開始後に気づいたが、
    初期構成では C ドライブしかなく RSBASE を置くには狭い。
    そこで EBS を 20GB 追加し、Eドライブとして利用。

    手順:

    1. EC2 → ボリューム → 新規作成
    2. 「アタッチ」
    3. Windows でディスク管理 → 初期化 → NTFS でフォーマット

    5. RSBASE の配置と動作確認

    ZIP を解凍し、必要なパスへ配置。
    RSBASE の Apache を起動すると EC2 内では正常動作 を確認。


    6. ローカル PC からのアクセス:80番を開ける

    EC2 のセキュリティグループに Windows Server 用に HTTP(80) を追加。

    ただし、全世界に開放するのは危険なので
    MyIP(自身のグローバルIP限定) に設定。

    Windows Firewall も忘れずに

    GUI から

    受信の規則 → 新しい規則 → TCP 80 → 許可
    

    設定後、ローカルPCから

    http://<EC2のパブリックIP>
    

    でアクセス成功。


    7. Elastic IP(固定IP)を割り当てる

    一度アクセスできても、EC2 の再起動で IP が変わるので、
    Elastic IP を割り当てて固定化した。

    割り当て後、次のように表示されていれば OK。

    パブリック IPv4: 〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇.〇〇〇(Elastic IP)
    

    8. DNS 設定(Route53 → お名前.com DNSへ切り替え)

    本命は Route53 に移すことだったが、
    お名前.com のドメインが「ネームサーバの変更不可状態」 になっており移行できなかった。

    理由:
    レンタルサーバ(WordPress)が同じドメインを使っており、
    ネームサーバ変更がロックされていたため。

    そのため、今回の方法:

    お名前.com の DNS に A レコードを追加する方式へ変更

    rsbase.medical-engineering.jp → <Elastic IP>
    TTL:600
    

    反映は最大 24 時間程度。


    9. バックアップ(AMI 作成)

    最後に EC2 の AMI を作成。
    説明文に日本語を入れるとエラー:

    Character sets beyond ASCII are not supported.
    

    対策:
    → 英字のみで AMI 名・説明文を入力
    → 再作成して成功。

    AMI 作成中はインスタンスが再起動される場合があるが問題なし。


    まとめ:今日の成果

    • S3 による RSBASE 配布方式の確立
    • EC2 Windows Server で RSBASE 動作確認
    • EBS 増設で十分なストレージ確保
    • HTTP 公開と Windows Firewall 設定
    • Elastic IP により固定アクセスが可能に
    • DNS は Route53 ではなく お名前.com DNS を継続使用
    • AMI を作成し、復元可能な状態になった

    AWS の基礎からネットワーク、バックアップまで
    一通りの構築作業を実践できた濃い日となった

    明日は DNS が浸透しているはずなので、
    http://rsbase.medical-engineering.jp/ でアクセスできるのを楽しみにしたい。

  • AWS CLI 構築から Session Manager 経由の安全なRDP接続、Windows Server 初期設定まで(個人開発環境の構築記録)

    クラウド上に安全な Windows 開発環境を作りたくて、AWS EC2・Session Manager(SSM)・RDP を組み合わせた構成を作りました。

    ローカルPCに負荷をかけず、いつでも起動・停止できる快適な開発環境です。

    この記事では次の内容をまとめています:

    AWS CLI のセットアップ Session Manager を使った “外部公開ゼロ” のRDP環境構築 Windows Server 2022 の初期設定(日本語化・時刻・安全設定) IAMユーザーとWindowsアカウントの整理(最小権限化)

    1. AWS CLI のセットアップ

    AWS上のEC2に安全にアクセスするため、CLI専用のIAMユーザーを作成しました。

    1-1. IAM ユーザー「cli-user」を作成

    今回は CLI専用アカウント として完全に分離。

    作成内容

    ユーザー名:cli-user アクセス方法:Access key(プログラムアクセス)

    付与ポリシー:

    AmazonSSMFullAccess

    AmazonEC2ReadOnlyAccess

    AdministratorAccess は不要(セキュリティ的にも排除)

    セキュリティ:

    後からグループを調整し、最低限の権限だけ付与する構成に変更。

    1-2. AWS CLI インストール

    ローカルPC(Windows)側でインストール:

    公式:

    https://aws.amazon.com/cli/

    インストール後

    aws –version

    1-3. 設定(aws configure)

    CLIにキーを登録:

    aws configure

    登録例:

    AWS Access Key ID: xxxxxxxxxxxxx
    AWS Secret Access Key: xxxxxxxxxxxxx
    Default region: ap-northeast-1
    Default output: json

    動作確認

    aws sts get-caller-identity

    出力に cli-user が表示されれば成功。

    2. Session Manager(SSM)経由でRDPする安全構成

    RDP の 3389ポートを完全に閉じたまま

    AWS Systems Manager (SSM) でトンネルを張り、

    安全にRDP接続する仕組みを構築しました。

    これで外部攻撃リスクはゼロになります。

    2-1. Windows Server 側:SSM Agent の更新

    EC2 上の Windows Server にログインし、PowerShellで実行。

    最新版のSSM Agentを取得

    Invoke-WebRequest https://github.com/aws/amazon-ssm-agent/releases/latest/download/AmazonSSMAgentSetup.exe
    -OutFile SSMSetup.exe

    インストール

    Start-Process .\SSMSetup.exe -ArgumentList “/S” -Wait

    サービス再起動

    Restart-Service AmazonSSMAgent

    2-2. ローカルPC→EC2 へポートフォワード(RDPトンネル作成)

    CLI で Session Manager のポートフォワードを開始。

    aws ssm start-session --target i-xxxxxxxxxxxxxxx
    –document-name AWS-StartPortForwardingSession `
    –parameters “localPortNumber=13389,portNumber=3389”

    これでローカルPCの:

    localhost:13389 → EC2の3389(RDP)

    という安全トンネルが確立します。

    ※ この PowerShell ウィンドウは閉じないこと

    (閉じたい場合は Ctrl + C)

    2-3. RDP接続(外部公開ゼロで接続)

    Windows の RDP クライアント(mstsc)で:

    localhost:13389

    ユーザー名:Administrator

    パスワード:EC2初回ログイン時に取得したもの

    2-4. セキュリティグループから RDP を完全削除

    トンネルRDPが動くのを確認した後、

    セキュリティグループのインバウンドルールから TCP 3389(RDP)を削除。

    結果:

    外部からの RDP → 完全遮断 Session Manager 経由だけ → 許可

    AWSが推奨する“最も安全なWindows運用”になります。

    3. Windows Server 2022 の初期設定

    Session Manager RDPで接続後、サーバの初期設定を実施。

    3-1. 日本語化(表示言語)

    Settings → Time & Language → Language & Region

    → Japanese を追加

    → Windows display language に設定

    → 再起動

    システムロケールも日本語へ

    Control Panel → Region → Administrative → Change system locale → 日本語

    3-2. タイムゾーン(日本時間)

    Set-TimeZone -Name “Tokyo Standard Time”

    3-3. Windows Update の適用

    最新の更新プログラムをすべて適用。

    IME のバージョン確認は不要。

    Windows Update が最新ならIMEも最新に更新される。

    3-4. Windows Firewall

    デフォルト設定のままでOK(推奨) 不要なルールを無効にするとSSMや内部通信が壊れる可能性があるためそのままにする

    ポイントは:

    外部からの攻撃は SecurityGroup で完全に遮断済み

    Windows Firewall はデフォルトでよい

    4. IAM と Windows アカウントの整理(セキュリティ強化)

    最後に、AWS/Windows のアカウントを最適化。

    4-1. cli-user の権限を必要最小限に変更

    最終構成:

    AmazonSSMFullAccess AmazonEC2ReadOnlyAccess

    → AdministratorAccess は削除

    → IAMグループも安全な状態に調整済み

    4-2. Windows Server側も“個人管理者アカウント”を作成

    セキュリティ向上のため:

    Administrator(デフォルト)

    自分専用の管理者アカウント

    この2つに変更。

    → Administratorを使い続けるより安全でログも明確。

    まとめ:今回構築した環境の特徴

    AWS CLI で SSM を安全に実行できる Session Manager のポートフォワードで RDP 接続 外部から3389を完全に閉じた“最強の安全構成” Windows Server を日本語化・最新化 IAM権限とWindowsアカウントを分離 低コスト(停止中は EBS のみ課金)

    ローカルPCに依存せず、

    必要な時だけEC2を起動して安全に作業できる開発環境が完成しました。

  • クラウドで開発環境を構築した日の記録(AWS EC2 / Windows Server / VPC構築)

    はじめに

    自分のPCマシンがスペック的にやや厳しく

    ローカルPCに無理して環境を入れるより、

    クラウド側に Windows Server を用意してそこで作業するほうが快適だと判断しました。

    今回は AWS 上に 専用 VPC → サブネット → EC2(Windows Server) を作成し、

    RDP 接続、SSM(Session Manager)準備、セキュリティ強化まで一通り実施したので、

    その作業記録を整理します。

    将来的には AWS CLI や Session Manager 経由の RDP に移行予定ですが、

    まずは GUI が使える環境までを構築した記録です。

    1. AWSで「空のVPC」を作成する

    まず行ったのは VPCの設計。

    AWS の VPCウィザードは色々テンプレートがありますが、

    今回は余計なリソースを避けるため 完全に空のVPC を作成しました。

    ✓ 作成内容

    VPC: CIDR:10.0.0.0/16 サブネット:作らず「空の状態」で作成 IGW(インターネットゲートウェイ):後でアタッチするため、最初は作らない

    この時点のポイント

    空のVPC から始めると、意図しない NAT Gateway などの 有料リソースが勝手に作成されない 結果的に 最安構成での構築ができる

    2. パブリック・サブネットを作る

    次に、手動で パブリックサブネット を作成。

    ✓ 設定内容

    サブネット名:public-subnet CIDR:10.0.1.0/24(※よくある構成)

    アベイラビリティゾーン:ap-northeast-1a IPv4 自動割り当て:有効

    パブリック扱いにするためにやったこと

    IGW を新規作成 VPC にアタッチ ルートテーブルを作成 0.0.0.0/0 → IGW を追加 public-subnet にアソシエイト

    3. EC2(Windows Server 2022)を作成

    ✓ スペック

    AMI:Windows Server 2022 Base

    インスタンスタイプ:t3.large ディスク:80GB(gp3)

    パブリックIP:自動割り当て セキュリティグループ: RDP(TCP 3389) → 一旦 0.0.0.0/0 後で「日本国内に限定」へ変更

    EC2 作成後、RDP を使ってサーバにログイン。

    4. Windows Server の初期設定(日本語化)

    インスタンスは英語版なので以下対応を実施。

    Settings → Time & Language → Language Japanese を追加

    Language Pack Install Display / Keyboard / Region を全部 Japanese に 再起動

    ロケールも変えるのを忘れないように

    これで Windows Server が完全に日本語化される。

    5. AWS Systems Manager(SSM)準備

    Session Manager は今後利用予定。

    EC2 に自動インストールされているはずの SSM Agent が

    「オンラインにならない」問題が発生したため、トラブルシューティングを実施。

    ✓ IAM ロール確認

    EC2 にアタッチされたロール → AmazonSSMManagedInstanceCore (これは問題なし)

    ✓ 最新の SSM Agent を手動インストール

    GitHub からダウンロードして直接修復:

    Invoke-WebRequest https://s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/amazon-ssm-ap-northeast-1/amazon-ssm-agent/latest/windows_amd64/AmazonSSMAgentSetup.exe -OutFile SSMSetup.exe
    Start-Process .\SSMSetup.exe -ArgumentList “/S” -Wait
    Restart-Service AmazonSSMAgent

    エラーが多発したが、最終的に 地域リージョン直参照URLで成功。

    6. RDP のセキュリティ強化(国内IP限定)

    最終的に RDP の許可範囲を制限。

    ✓ 設定内容(Security Group)

    RDP(TCP 3389) → 133.0.0.0/8(日本国内のIP帯) ※ 0.0.0.0/0 から変更

    これにより、海外からのアタックをほぼ完全に遮断できる。

    ✓ 接続テスト

    自宅の Global IP(OCN光)から接続 問題なく接続できることを確認 「つながらない問題」は → 自宅IPが NTT/OCN帯の 153.xxx だったため。 → 日本国内帯に含まれるので問題なし

    7. セキュリティの最終方針

    今回の構築で明確にした方針:

    ✔ 現時点:

    GUI 操作は RDP(日本国内IP限定) 通信ログは最低限

    ✔ 将来:

    AWS CLI の導入 Session Manager + ポートフォワーディングで RDP Public IP を使わず Private RDP に移行する

    最終的には インスタンスを完全非公開で運用することが目標。

    8. クラウド料金の最適化

    今回の構成は非常に安価。

    ✓ インスタンス停止中 → 課金されるのは EBS のみ

    EBS(gp3 80GB) → 約 150円 / 月 → 年間 1,800円ほど

    ✓ Elastic IP は使用していない

    → 追加料金ゼロ

    ✓ NAT Gateway なし

    → 0円

    つまり 実質 月150円のクラウド Windows Server を手に入れた形。

    9. 今日学んだこと(まとめ)

    空のVPC作成 → サブネット → IGW → ルート設定 は手動でやると理解が進む

    EC2 自動割り当ての Public IP で十分運用可能

    SSM Agent は地域ごとのパスに注意

    RDP は「国内IP限定」にするだけでセキュリティが跳ね上がる。あとのリスクは許容する。

    インスタンス停止すれば月150円運用が成立する

    Session Manager を使えば将来的には RDP すら不要になる

    おわりに

    クラウドの Windows Server を「自分専用のデスクトップ環境」として使うのは

    実際にやってみると意外と簡単で、

    かつローカルPCよりも負荷が軽くて快適でした。

    今後は AWS CLI の導入、Session Manager による

    よりセキュアな無公開運用に切り替えていく予定です。

    また次のステップを進めたら記事にしていきます。